すぐに旅行記を書くつもりだったのに、(その後の締め切り地獄のせいで)こんな遅れてしまったけど、ヒマラヤ山脈の美しい景色や現地の様子を撮った写真をたくさん交えながらハイライトをまとめてみます。
ちなみに、私が訪れたのは、現国王と王妃のご成婚直前。もちろん、国中はお祝いムードが高まりつつある時期でした。

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旅行記の前に、ブータン旅行とブータンについて少し。
ブータンへの旅行は、普通の海外旅行とは大きく違う点があります。
・政府の方針で、外国人旅行者は政府認定のツアーガイドと一緒でないと入国できない
・一日あたり、一人米ドルで230ドル(約2万円)(3人以上での旅行の場合は200ドル)を支払わなければならない(宿泊費、1日3食の食費、バス移動の交通費、すべて込み・・・この後更に値上がりしたらしい)
・ビザも、ガイドを通してのみの発行
(私たちの場合、直接現地の旅行会社に申し込んだため、余計な仲介料はかからずに済みました。)
すべてガイドが車で連れまわしてくれ、ホテルやレストランは全て外国人旅行者用のところ。アップスケールで小綺麗なレストランやホテルに行くことになります。この点は、なんだか変に優遇されているようで、現地の人たちよりも上に位置付けにされているようで、ちょっと複雑な気分(レストランに関しては、外国人が食中毒を起こさないよう、ローカル用の食堂は避ける、という理屈らしい)。
観光業はブータンの産業の中で第二の収入源。政府が「大事なお客様」として外国人旅行者を優遇するのも、そのためでしょうか。
ガイドさんによると、ブータンへの外国人旅行者(訪問者数1位と2位は常にアメリカ人と日本人)のほとんどが、「特殊な経験」を求めているそうです。その大きな理由は「真の幸せとは何か」を追求するこの国の方針にあるのでしょう。
「GNP(Gross National Product)国民総生産」ではなく、「GNH (Gross National Happiness)国民幸福度」で国の豊さを測ること。チベット仏教の教えに従い、自分だけでなく全人類の幸福を願う国民性。そして、守られている昔からの人々の生活と自然。文明化も最小限に抑えられています。
それでも、近年では少しずつ文明化が進み、従来の人々の生活は少しずつ変化しているようです。
車も多く走るようになった。10年前には都市部に電気が普及した。テレビは1998年のサッカーのワールドカップの際に導入された。(ワールドカップ開催中のみサテライトアンテナの設置を政府が認めたのがきっかけらしい・・・ワールドカップ後、政府がアンテナの回収を試みたが、テレビの素晴らしさを知ってしまった市民が抵抗したんだとか)。
「しかし、」とガイドさんは次に哀しげに語ってくれました。
文明化して便利になりつつある一方で、従来の人々の生活のバランスが崩れつつあるのも現状。このまま進むと、幸福というものが、心の豊かさではなく、先進国と同様、物質に求められるようになる。人々の生活スタイルが変わり、今まであった仕事がなくなる。仕事がなくなって働けなくなった人々が犯罪を犯す・・・。犯罪は極めて少なく、殺人も年に一度あるかないかくらいのこの平和な国で、哀しいことに犯罪も増加傾向にある。
そんな状況を聞くと、世界の隅々まで文明化する必要があるのだろうか、と疑問に思ってしまいます。ブータンは今まで通りでいいのではないか・・・と。
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さてさて。私もそんな「特殊な経験」を求めて、チベット仏教に生きる人々の生活がどんなものか見たくて、GNHが人々の生活をどう形作っているかを知りたくて、ブータン王国へと向かったのです。

外国人旅行者の訪問が限られているブータンへ入国できるのは、Druk Airというブータンの空港会社の飛行機でのみ(東部地域であれば、インドから陸路で入ることは可能)。
日本からはバンコク経由が一番便利なのだけど、バンコクからブータンに飛ぶのは一日一便、早朝だけです。私は前日の夜にバンコク入りして空港近くのホテルに宿泊し、早朝、バンコクからDruk Airの飛行機に乗り込みました。
飛行機はバンコクを出発後、一時間ほどで着陸。
着陸した場所は平地だし、結構都会だし、「なんか思ってたんとちゃう!」と軽くパニくってたら、なんとバングラデシュのダッカだった。。。ここで、更に人を乗せる。
その後、30分ほど飛んだところで窓から下を見ると・・・

広がっていたのはヒマラヤ山脈!!山が近い!
そうそう、私がイメージしてたのは、まさにこのヒマラヤの山々の風景!
乗客から、思わず感嘆の声が漏れます。
山間を低空飛行するため、悪天候で飛べなくなることも多々あるとか。この日は幸い快晴で、順調な飛行でした。

そして、世界一着陸の難しい国際空港、ブータンのパロ空港に着陸。

みんなはしゃいで出てきます。

降りて早速みんな写真を撮る。
空港はとてもシンプルで、国際空港とは思えないこじんまりさ。建物も、ブータン特有の建築物です。

入国審査を済ませ、インド経由で空路で入国した相方と合流。
この旅行中に私たちについてくれるツアーガイド、チミーとも出会いました。
で、テンションも上がりつつ、荷物を取ってすぐさま出発する気満々だったところで、プチトラブル発生。
全乗客中、なぜか私のスーツケースのみ、見つかりません。。
結局、別のツアーの集団の中で、どうやら私のスーツケースを間違って持って行ってしまった人がいたらしいとのことが判明して、事なきを得ました。
・・・が、なんと間違って持って行ったのは、ブータン国王の母親のグループだった、というプチサプライズ付き。お泊まりになっている超高級ホテルまで荷物を取りに行きました。
もちろんご本人には会えませんでしたが。
それはさておき、ガイドのチミーの車に乗り、早速行動開始!
空港はパロという町にあるので、そのまま車を飛ばして、ブータン王国の首都ティンプーへと向かいました。
道中の景色はこんな感じ。

こんな門も通ります。

いたるところにこんなカラフルな旗が。全て、お経が書いてあります。風に吹かれることで、お経を全て読むのと同じ効果があるのだそうです。

そして、一時間ほどで首都ティンプーに着きます。町の様子は、次回に。
それにしても,プチトラブル/プチサプライズ,凄スギル!!
ほんと、私も行く前からドキドキだったよ。
プチサプライズには私もびっくり!
国王目撃、とかしてみたかったなぁ^^
さえちゃんたちもいつか是非行ってみてー。