2009年07月09日

介護と医療は別物?

世の中の多くのことは、自分が身近に体験するまでは知らなかったりするもの。身近に起こって初めて、現実を知る、ということは多いものです。

去年の暮れに祖母がクモ膜下出血で突然倒れて、早7ヶ月。まだ意識が戻らず、それっきりずっと寝たまま。倒れたときは1ヶ月しかもたないと言われたので、この奇跡的な祖母の頑張りには驚くばかり。自発呼吸もできるようになって、呼吸器を外した。意識はないものの、口を動かしたり目を開けたりの反応は見せる。容態も安定している。でも、もうこれ以上治療できることはなく、後はどれだけ祖母がこの状態を維持できるか、ということのみ。私にとってとても近い存在の大事な大事な祖母。こちら側のエゴかもしれないけれど、やっぱりどんな形であれ、生きていてほしいと思っている。

ところが、こういう状態になって、とっても困った事態に直面した。

祖母の入院歴は7ヶ月。今の医療制度では、入院日数が一定以上になると、病院に支払われる診療報酬がぐっと下がる。もうこれ以上回復の見込みがない患者が長く病床をふさいでいては、新しく緊急搬送される患者を受け入れられないだけでなく、病院側の採算も合わない。ということで、病院側から転院を促されてるというわけ。

転院先が簡単に見つかるなら、まだいい。問題は祖母のように、もう治療ができない寝たきりで意識のない「療養型」の患者を受け入れる病院がないということ。あってもベッドの数が限られていて、なかなか空かないということ(空くということは、患者が一人亡くなるということなのも複雑な話)。慢性的に療養型の患者では病院側に入る報酬が少ないから、というのが簡単な話なのだけど、これは近年改訂された国の制度のせい。寝たきりで介護を必要とする患者は増える一方なのに、採算が合わないという理由で療養病床を削減しようとしている、矛盾した方針。治る見込みのない寝たきりの病人は早く死んでしまえ、とでもいうことなのか。理解に苦しみます。

ここ数日、家族で色々話を聞きに行ったりして、やっと一時的な受け入れ先が決まった。祖母は、医療保険も介護保険も適用できない有料老人ホームへとりあえず入ることになったのだけど、それは幸運にも祖母に金銭的余裕があったから。長い目で見て、祖母の場合も保険が適用される施設へ移れるまで待つことになる。保険が適用できない高額の施設に入れない人は多く、そういう人たちは数ヶ月から数年、ベッドが空くまで自宅介護という形で待つことになるのだとか。それでも、自宅まで来てくれる看護師さんやヘルパーさんの手は全然足りていないのが現状で、寝る間もなく家族が付きっきりで介護している、という場合が多いのだそう。それでは逆に、家族の方が介護に疲れて病気になってしまいます。

国民のための医療、からはほど遠い現実。今までは自分には関係がないと思っていて、知ろうとすらしなかったそんな状況を垣間見て、衝撃でした。もっと早く知っていたら、私もそういった介護の現場を支えるお仕事を志せたかもしれないのに。こんな私でも出来ることは何かないか。これからどんどんお年寄りが増えていく中にあって、こんな状況が続くのは本当に大問題です。


posted by eiko at 17:34| Comment(3) | TrackBack(0) | Random | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
医療問題、特に後期高齢者医療問題ってすごい難しいんだよね。
でも、これって実際に家族が関わって初めて気づくことやと思う。
 
うちも、5年前に母方の祖父が脳梗塞になってね。
最初はまだ誰かも(多分)分かってたし、歩けたし、会話もなんとか通じるくらいやったのに、
半年に一回は転院したり、病床があくまで自宅に戻ったりしてたわ。
2年位前から介護つきの病院に入ってるけど、先月から完全に寝たきりで点滴で栄養摂ってるらしい...
今週お見舞いに行ってくるわ。
 
高齢者がいない家族のほうが少ないわけやし、こういう問題に直面してる人が多いんやけど、
うちもそうやけど、現状で仕方ないと諦めちゃってるんじゃないかな...
 
でも、やっぱり長生きして欲しいって思うのは同じやからね。
eycoちゃんのお祖母さんもできるだけ長生きして欲しいと思うな。
Posted by T.Asai at 2009年07月10日 09:33
私も日本の最近の医療改正には異議ありだよ。特別医療やえいこちゃんのおばあさまのような療養型の患者さんも病院でみてもらえるようにするべきなのにね。

私も日本へ帰ったとき、92歳の親戚のお見舞いに行ってたときに、ショックなことがあって、お見舞いのものを喉におばあさんがつまらせたんだけど、看護婦さんが
「逆さにしてやろーか!?」とかうちのおばさんに向かっていうの。親戚の前でだよ。
すごくほかにも、暴言って私なら取る言葉が耳に入ってきて、大阪からきて広島でいま、病院にはいってるんだけど、こんな扱いされてると思うと、すごく悲しい気分になりました。 いくら年をとっていても、
わたしたちもいつ同じ境遇になるかわからないし、いずれ年をとるものなのに、
年をとったり、病気してるほうが悪いみたいな印象をその看護婦さんたちから受けて
すごくショックでした。

日本にいる間は、えいこちゃんも
おばあちゃんのところにたくさん訪ねていってあげてね。良くなることを願ってます。
Posted by kumita at 2009年07月11日 05:53
>あさいちゃん
ほんと、実際に家族が関わって初めて気づくこと、ってその通り。知識ではわかっていても、現実って体験しないと実感できないものだもんね。
あさいちゃんのおじいさんも、半年に一回は転院とかだったなんて、大変だよね。移動中に何が起こるかもわからないんだし、ただでさえ体力が弱っている病人を何度も何度も移動させるなんて。一番介護が必要な患者に対して、最善の医療を与えられない今の制度はおかしいよね。

あさいちゃんも、おじいさんのこと、大事にしてあげてね!

>Kumitaちゃん
私の祖母は、祖母のように寝たきりで意識のない患者に対しても、ちゃんと人間らしく接してくれるいい介護施設に移れることになったんやけど、ほんと、ひどいところがいっぱいあることを知ったよ。
意識がない患者ばかりを収容してるような施設があって、そこだとほんと、物のように患者を扱ってるの。
看護師やヘルパーの仕事は大変だとは思うのだけど、それでもいつでも人間として患者と接してほしいよね。
Kumitaちゃんのご親戚の病院の看護婦さん、かなりひどいね・・・。親戚や家族がそんな扱いされてるんだと思うと、ほんとに哀しいよね。
Posted by エイコ at 2009年07月11日 12:08
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